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ファスティング(断食)の正しい理解|流行の断食が体に何をもたらすのか

ダイエット ダイエット神話 初心者向け 食事 Jun 21, 2026

16時間断食、プチ断食、ファスティング——ここ数年でダイエット法として急速に広まりました。実際に試した方も多いと思います。

効果が全くないわけではありません。ただ、「痩せる方法」として一人歩きしている部分と、知っておくべきリスクがあります。3,000人以上の指導経験と科学的根拠から、ファスティングを整理します。


この記事でわかること

  • ファスティングが広まった背景と「オートファジー」の正しい理解
  • ファスティング中に体で起きることの実態
  • 当ジムがファスティングを積極的にすすめない理由

目次

  1. ファスティングとは何か・なぜ広まったのか
  2. ファスティング中に体で起きること
  3. ファスティングの効果と限界——科学が示すこと
  4. 当ジムがファスティングを積極的にすすめない理由
  5. 今日からできること
  6. まとめ
  7. よくある質問

 

ファスティングとは何か・なぜ広まったのか

ファスティングとは、一定期間食事を摂らないことです。代表的なものとして次のものがあります。

  • 16:8断食(オートファジー断食):16時間断食して8時間の食事ウィンドウを設ける
  • 5:2ダイエット:週2日を極端に低カロリーにする
  • プチ断食:1日〜数日間の断食

広まった背景のひとつが、「オートファジー」研究へのノーベル賞受賞(2016年・大隅良典氏)です。オートファジーとは細胞の自己浄化機能で、空腹状態が続くと活性化します。これが「断食=体がきれいになる・リセットされる」として広まりました。

ただし、この研究は「細胞レベルのメカニズムの解明」に関するものであり、「断食がダイエットに効果的」という話ではありません。ノーベル賞の研究内容と「断食で痩せる」を結びつけて紹介されることが多いですが、この解釈は誤りです。

 

ファスティング中に体で起きること

ファスティング中、体では段階的に変化が起きます。

初期(〜12時間)

肝臓・筋肉に蓄えられたグリコーゲン(糖質の貯蔵形態)が消費されます。グリコーゲンは水分と結びついているため、グリコーゲンが減ると水分も体外に出ます。この段階の「体重減少」は水分の損失によるものです。

12時間以降

グリコーゲンが枯渇してくると、体は脂肪と筋肉の両方をエネルギーとして使い始めます(糖新生)。

ここが重要な点です。ファスティングで落ちるのは脂肪だけではありません。長時間の空腹状態が続くと、体は筋たんぱく質を分解してエネルギーを作ります。体重が落ちても、その内訳に筋肉量の低下が含まれます。

 

ファスティングの効果と限界——科学が示すこと

研究をみると、ファスティングの体重・体脂肪への効果は、「通常のカロリー制限と大差ない」という結論が多数を占めています(New England Journal of Medicine, 2020年など)。

つまり、カロリー収支(摂取カロリー<消費カロリー)を作れれば、食べるタイミングがどうであれ体重は落ちます。ファスティングはカロリー収支をマイナスにする手段のひとつに過ぎず、特別に優れているわけではありません。

また、ファスティングには次のリスクも伴います。

  • 断食中の強い空腹感・集中力の低下・疲労感
  • 食事再開後の過食リスク(制限が強いほど反動が大きくなりやすい)
  • 筋肉量低下による代謝の低下
  • 「断食すれば食べすぎをチャラにできる」という思考の習慣化

 

当ジムがファスティングを積極的にすすめない理由

当ジムでは、ファスティングをお客様に積極的にすすめていません。

理由は、同じカロリー収支を作るなら、筋肉量を維持しながら食事を整える方が長期的に有利だからです。

ファスティングでカロリーを減らすより、「1食のたんぱく質を増やす」「間食を整える」「夜の食事量を少し減らす」という方向で食事を調整する方が、筋肉量の低下を防ぎながらカロリーコントロールができます。

また、忙しい30〜40代の方にとって、断食期間中のパフォーマンス低下(仕事・育児・家事への集中力低下)は現実的な問題です。体を変えるために日常が機能しなくなるのは、長続きする方法ではありません。

「食べない」を繰り返すより、「何をどう食べるか」を整える方が、体への負担が小さく、継続しやすく、リバウンドリスクも低い——これが当ジムの基本スタンスです。

 

今日からできること

① 「16時間空ければいい」より「何を食べるか」を先に整える
今の食事でたんぱく質が不足していないか、間食が多くないか——これを先に確認する方が、より確実に体を変えることにつながります。

② 朝食を抜くなら「抜いた分だけ昼夜が増えていないか」を確認する
16時間断食で朝食を抜く場合、昼・夜の食事量が増えてしまうと意味がありません。1日のトータルカロリーを意識することが大切です。

③ 「断食で体をリセット」という発想を手放す
体は断食でリセットされるわけではありません。食事・運動の継続によって、少しずつ変わっていきます。

 

まとめ

  • ファスティングの効果は「通常のカロリー制限と大差ない」という研究結果が多い
  • 長時間の空腹状態では脂肪だけでなく筋肉も分解され、代謝低下のリスクがある
  • 「オートファジー=断食で痩せる」の解釈は誤り
  • 当ジムは「食べない」より「何をどう食べるか」を整えることをすすめる

次回(第7話) は「夜に食べると太る」の誤解について。時間帯と体重増加の本当の関係を解説します。

 

よくある質問

Q. 16時間断食をすればオートファジーが活性化して体がきれいになりますか?

A. オートファジーは空腹状態で活性化する細胞の自己浄化機能であることは事実です。ただし、「体がきれいになる」「脂肪が落ちる」という解釈は過大です。オートファジー研究はダイエット効果の研究ではなく、「細胞メカニズムの解明」に関するものです。

Q. ファスティング中にたんぱく質を摂ると効果がなくなりますか?

A. ファスティング中のたんぱく質摂取は、筋肉量低下のリスクを軽減します。断食の目的が「カロリー制限」であれば、低カロリーのたんぱく質(プロテインや鶏胸肉など)を適度に取り入れることはむしろ有益です。

Q. プチ断食は週に何回くらいやれば効果がありますか?

A. 頻度より「1日の総カロリーバランス」の方が体重への影響は大きいです。プチ断食を行う日があっても、他の日に過食してしまえばトータルで変わりません。断食の頻度にこだわるより、毎日の食事を少しずつ整える方が継続しやすく、長期的な効果も高いと当ジムは考えます。

 


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