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疲れが取れない人が見落としている栄養素 | マグネシウムと鉄分不足

栄養 疲労 睡眠・回復・疲れない体 Aug 27, 2026

ここまで4話にわたって、睡眠不足のメカニズム・質の高い睡眠の作り方・入浴・運動後の回復についてお伝えしてきました。しかし、睡眠時間を確保し、運動後のケアもしているのに「なぜか疲れが取れない」という方もいます。

その場合に見落とされがちなのが、マグネシウム・鉄・ビタミンB群・ビタミンDという4つの栄養素の不足です。今回は、これらの栄養素と慢性的な疲労の関係を解説します。


この記事でわかること

  • 疲労感と鉄不足の関係
  • ビタミンB群がエネルギー産生に果たす役割
  • マグネシウム不足が引き起こす症状
  • 多くの人が気づかずに不足しているビタミンD

目次

  1. 「頑張っているのに疲れが取れない」の見落とされがちな原因
  2. 鉄分:酸素を運べないと体は疲れる
  3. ビタミンB群:エネルギー代謝の縁の下の力持ち
  4. マグネシウム:神経と筋肉を落ち着かせるミネラル
  5. ビタミンD:気づかれにくい「隠れ不足」栄養素
  6. まとめ
  7. よくある質問

 

「頑張っているのに疲れが取れない」の見落とされがちな原因

睡眠・運動・食事量を整えても疲労感が残る場合、多くの人は「もっと頑張らなければ」と考えがちです。しかし実際には、頑張りを増やすことではなく、特定の微量栄養素が不足していることが原因になっているケースが少なくありません。

当ジムでは、食事指導において「カロリー」「たんぱく質量」だけでなく、こうした微量栄養素の視点も持つことを大切にしています。特に忙しい30〜40代や、月経のある女性は不足しやすい傾向があります。

 

鉄分:酸素を運べないと体は疲れる

鉄は血液中のヘモグロビンの材料です。ヘモグロビンは全身に酸素を運ぶ役割を担っており、鉄が不足すると体全体が「酸欠」に近い状態になります。

その結果として現れやすいのが、疲労感・息切れ・動悸・倦怠感です。特に月経のある女性は鉄を失いやすく、貧血の診断基準に届いていなくても「鉄欠乏状態」で慢性的なだるさを感じているケースが珍しくありません。

「しっかり寝ているのに体が重い」と感じる方は、レバー・赤身肉・あさり・小松菜など鉄を多く含む食品の摂取量を見直してみる価値があります。

 

ビタミンB群:エネルギー代謝の縁の下の力持ち

ビタミンB群(B1・B2・B6・B12・葉酸など)は、糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変換する代謝経路で「補酵素」として働きます。

ポイントは、B群のうちどれか一つが欠けても、エネルギー代謝がスムーズに回らなくなるということです。B群はチームで働く栄養素であるため、特定の一つだけを大量に摂るのではなく、豚肉・魚・卵・レバー・納豆・葉物野菜など幅広い食品からまとめて摂取することが重要です。

 

マグネシウム:神経と筋肉を落ち着かせるミネラル

マグネシウムは、神経伝達や筋肉の弛緩に関わるミネラルです。不足すると、筋肉のこわばりやこむら返り、寝つきの悪さにつながりやすいとされています。

さらに、マグネシウムとビタミンDは互いに作用し合う関係にあり、マグネシウムが不足しているとビタミンDがうまく活性化されないことも指摘されています。ナッツ類・海藻・大豆製品・玄米などに多く含まれており、日々の食事に取り入れやすい栄養素です。

 

ビタミンD:気づかれにくい「隠れ不足」栄養素

4つの中でも特に見落とされやすいのがビタミンDです。都内の健診受診者約5,500人を対象にした調査では、血中ビタミンD濃度が98%の人で不足していたという報告があります。

ビタミンDは骨の健康だけでなく、免疫機能や自律神経の働きにも関わる栄養素です。日照時間の少ない生活や、屋内で過ごす時間が長い現代のライフスタイルでは、多くの人が気づかないまま不足している可能性があります。魚類・きのこ類は食事からの摂取源になりますが、適度な日光浴(第2話でも触れた朝の光を浴びる習慣)も、ビタミンDの体内合成を助けます。

 

4つの栄養素まとめ表

栄養素 主な役割 不足時のサイン 多く含む食品
鉄 酸素運搬(ヘモグロビン) 疲労感・息切れ・動悸 レバー・赤身肉・あさり・小松菜
ビタミンB群 エネルギー代謝の補酵素 疲れやすさ・集中力低下 豚肉・魚・卵・納豆・葉物野菜
マグネシウム 神経伝達・筋弛緩 筋肉のこわばり・寝つきの悪さ ナッツ・海藻・大豆製品・玄米
ビタミンD 免疫・自律神経・骨の健康 気づきにくい慢性的なだるさ 魚類・きのこ類・適度な日光浴

 

まとめ

  • 睡眠・運動を整えても疲れが取れない場合、鉄・ビタミンB群・マグネシウム・ビタミンDの不足が背景にあることがある
  • 鉄不足は酸素運搬機能の低下を招き、疲労感・息切れ・動悸につながる
  • ビタミンB群はエネルギー代謝の補酵素として働き、どれか一つが欠けても機能しにくくなる
  • マグネシウムは神経・筋肉を落ち着かせ、ビタミンDの活性化にも関わる
  • ビタミンDは都市部の成人の多くで不足しているとされ、気づかれにくい栄養素
  • サプリメントに頼る前に、まずは食品からの摂取を優先することが基本

次回(第6話) は、ストレスと体重増加の関係——コルチゾールが脂肪をためる仕組みについて詳しく解説します。

 

よくある質問

Q. これらの栄養素はサプリメントで摂るべきですか?

A. 当ジムでは食事からの摂取を優先することをおすすめしています。まずはレバー・赤身肉・魚・ナッツ・葉物野菜など、日々の食事にこれらの栄養素を含む食品を意識的に取り入れてみてください。不足が続く、または強い疲労感が長引く場合は、自己判断せず医療機関で血液検査を受けることをおすすめします。

Q. 自分が鉄やビタミンD不足かどうか、どうすればわかりますか?

A. 健康診断の血液検査で、フェリチン値(鉄の貯蔵量の指標)やビタミンD値を確認することができます。通常の貧血検査だけでは軽度の鉄欠乏を見逃すこともあるため、慢性的な疲労が続く場合はこれらの項目も確認してみるとよいでしょう。

Q. これらの栄養素はダイエットにも関係しますか?

A. 直接的に脂肪を減らす栄養素ではありませんが、不足すると疲労感から運動量が落ちたり、代謝に関わる仕組みが十分に働かなくなったりする可能性があります。体づくりを支える「土台」として捉えるとよいでしょう。

 


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